涼宮ハルヒのSSその5:長門有希の溜息

涼宮ハルヒのSSその5:長門有希の溜息

長門有希さんの溜息

http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1147942550/460-463

460 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2006/05/21(日) 23:13:32 sY6buZUR

長門有希さんの退屈』 注:長門さんのイメージを壊したくない人は読まないほうがよいです


悩みもなにもないように見えるわたしの唯一の悩みとは、一言で言うと「言いたいのに言えない」ってことである。

では、わたしの考える「言いたいこと」てのは何なのかというと、これまた一言で言うと

スーパーシンプルであって、要するに「キョンくん大好き!」などと考えているのだった。

ちなみに「大好き!」の部分は「午後七時。光陽園駅前公園にて待つ」とか「YUKI.N> また図書館に」とか

「ホーミングモード」とかでも置換可能だけど、言うまでもなくそんなことをすると涼宮ハルにゃんが

世界をフィクションの世界にしてしまうので現実的ではなく、よってわたしの悩みはこの世界で暮らす限り

永遠に続くことになっている――んだよねー。ちっ。


15498回も二週間を過ごしたわたしは、ダイエット広告の使用前使用後ぐらいの変貌を遂げちゃって

キョンくんラブラブモードはもちろん、思考パターンがかなり面白くなっていた。

問題は、ほかはそう思ってはいないことで、一回バラした時なんかは散々な評価を受けてしまい

修正にかなりの労力を費やす羽目になってしまった。もうしたくないです。

そういうわけで、今日も部室の片隅で本を読みながら無口な宇宙人を演じているのであった、なんてね。


SOS団も文化祭に参加するわよ!」

涼宮ハルにゃんが何の悩みもなさそうな笑顔で語ったことを要約すると

どうやら自主映画を作ってそれを上映するらしい。まあそんなことはどうでもよくて

キョンくんやいっちーがハルにゃんとうだうだ話し、みくるんが書記をしている間

本のページをめくりながらわたしが考えていたことは、さっきのキョンくんの言葉だった。


「占い?」

クラスでなんの出し物をするかハルにゃんに聞かれて

占い、と答えたわたしに横槍を入れたのは、キョンくんだった。

「そう」

内心声をかけてもらってうれしいけど、答えはあくまで無表情。

「お前が占うのか?」

「そう」

あれあれ、なんでそんな不思議そうな顔をするの?

あ、わかった。なんかわたしに占ってほしいことがあるのね。百発百中間違いなしのこの

凄腕占い師有希に。もしかして……わたしとの恋愛運? きゃーきゃー。

でもハルにゃん、もしくはみくるんとの恋愛運、なんて言ったらコロス。




462 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2006/05/21(日) 23:14:43 sY6buZUR

翌日、キョンくんのために占いを完璧にしておくため、真面目にクラス会議に出ていた。

もっとも、出ているだけで、話の内容は耳がとらえていても、目が向いている先は本である。

本のタイトルは『萌え占い』。わたしに萌えてもらうため、日夜研究を怠らないわたしである。

カバーなしで堂々と見ているため、なんだかクラスの視線が集まってる気がするけど

そんなこと知ったこっちゃないわ。キョンくんに比べたら、あんたらなんかただの石ころよ。


会議後、部室に向かったわたしが発見したのは、部屋に誰もいないことだった。

帰っちゃったのかな、と思ったわたしは、机の上にノートの切れ端があるのを見つけた。

読んだ。破った。窓から投げ捨てた。

『脇役:長門有希』なんて書いてあるのが見えたもんでね、あはははは。

あーでも、雑用全部をやらされるらしいキョンくんに比べたらマシなのかなんなのか

とりあえずいつかハルにゃんをとっちめてキョンくんと二人で愛の逃避行へ走ることを

固く誓うと、キョンくんもいないしさっさと帰った。


その翌日もクラス会議。さっさと終われ。

昨日一日キョンくんを見てなかったことで、キョン分が不足していたわたしは

委員長が「それでは終わ」ぐらいまで言ったところで、クラスから消え失せた。

そのまま部室へ向かう。そして数秒後に部室の扉を開けていた。キョンくんがいますように。

「…………」

キョンくんはいた。そしてハルにゃん、みくるん、いっちーも。要するにわたし以外いたわけだ。

そしてなぜかわたしに視線が集まっている。え、なに? わたしなんかした?

もしかして、昨日破り捨てたノートの切れ端のこと? それともこっそり「キョンくん大好き」って

つぶやいたこと? まさか、例の本のしおりに「相思相愛になれますように 長門」って

書いてあるのがバレたとか? 思い当たるふしがありすぎてぐるぐる回っていたわたしは

みんなの視線がわたしではなく、ちょっと上やちょっと下を向いているのに気付いた。

あ。占い衣装のままだった。

原因がわかってほっとしたので、そのまま何事もなかったかのように自分の席へ座り、読書を始めた。

もちろん『萌え占い』なんかじゃなくて、わたしらしい、硬派なSF本を。

なぜか衣装についてしつこく聞かれたわたしは適当に「占い」とか「衣装」とか答え

ハルにゃんが決めたわたしの配役、『悪い宇宙人』にこいつどついたろかとか思ったけど

当然口も手も出さなかった。キョンくん、いつの間にかハルにゃんにバラしてたらしいね。


463 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2006/05/21(日) 23:15:37 sY6buZUR

次の日は、外で撮影をするらしく、わたしたちはぞろぞろと商店街へ向かった。

大監督ハルにゃんのお達しにより『悪い宇宙人の魔法使い』にジョブチェンジしたわたしは

昨日と同じ占い衣装にチャチな棒を持ち、主役のみくるんはその豊満なボディを最大限に生かした

危ういウェイトレス衣装を着込んでいた。わたしが着ても似合わないんだろな、あれ。

目的はCM撮影だったらしく、商店のまん前でプラカードを持ったわたしと

バニーさんにお色直ししたみくるんがキョンくん撮影の元、CM撮影を始める。きれいに撮ってね。

もう一軒回ったところで、この日は解散になった。


いつもの土曜はキョンくんに会えなくて寂しいんだけど、またまた撮影だそうで、山へ。

このときばっかりは、ハルにゃんの行動力に感謝しなきゃ。おはよ、キョンくぅん。

で、なんかみくるんの個人撮影をしばらくしたあとで、わたしとの対決シーンになった。

モデルガンを持ったみくるんに、

「みくるちゃん、有希を思うさま撃ちなさい」

大監督改め超監督ハルにゃんが命令する。あはははは、ふざけんな。

さすがにみくるんも困った顔で拒否の言葉をもごもご言ってるみたいだけど、超監督様が、

「だいじょうぶよ。みくるちゃんの腕じゃどうせ当たるわけないし、仮に当たりそうでも有希なら避けるわ」

と自信満々におっしゃられた。そりゃ、できるけど、人間業じゃないって。

ま、いいや。ハルにゃんが避けられると思ってるなら、別にやってもいいよね。

「いい、撃って」

わたしの言葉にみくるんは納得して、銃を撃ち出した。

「えいっ」

目をつぶって撃つみくるん。当たりそうな弾だけ棒ではじく。つまんない戦いだわ。


しばらくして弾切れになり、ハルにゃんが次のシーンへ移ることを宣言した。

「今度は有希の反撃よ。有希、魔法を使ってみくるちゃんをいてこましちゃいなさい!」

願ってもないことを言ってくれた。わたしも日頃からみくるんには胸とか胸とか主に胸のことで

ちょっと含むところがあるし、あの夏休みに「ちょっと恐いかも」って言われたことも

毎日、記憶の最上位に更新することを忘れてません。ふっふっふ、みくるん覚悟!

……と、一瞬は思ったけど、キョンくんの視線が目に入る。顔を動かすと、必死で「ノー」という

サインを送っていた。キョンくんの嘆願には逆らえない。ちっ、命拾いしたな、みくるん。




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