涼宮ハルヒのSS

涼宮ハルヒのSS

忘れ雪

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104 名前:忘れ雪 投稿日:2006/05/20(土) 00:52:44 6A/QkUxQ

最初から、叶うはずなど無かった。

わたしはすべて解っていた。何をしてしまい、それがどんな結果を生み出すかまで。

事実、わたしはもうすぐ消えようとしている。

努力はした。わたしはただの端末。人間ではないと何度も言い聞かせた。

朝比奈みくるでも、涼宮ハルヒでも、ましてや彼なんかとは同じではない。

そんなわたしが、彼に恋をするなんて許されないこと。

観測者として感情が入ってしまうのも問題であるし、相手が彼だということも問題。

降り積もった雪のような感情は、存在自体が認められないもの。

わたしの全てが、罪。

けれど、最初から抗えるはずも無かったのも事実。

なぜならわたしは。なぜならわたしは――――




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朝比奈みくるの慕情

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101 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2006/05/20(土) 00:22:26 YNvyBvZ9

 俺は今、非常にまずい立場に立たされていた。

 事の発端は、物憂げな朝比奈さんに乞われてデート(と俺が勝手に思っていた)に出かけたことだな。

 結論から先に言うとデートは俺の早合点で、利発そうな坊主を救わせるために

 朝比奈さんが上からけしかけられただけだったんだが、そのあとがいけなかった。

 自分の存在意義について悩んでおられていたらしい朝比奈さんは、指令を完遂すると共に

 いままでのすべてを思い出したかのように、堰を切って泣き出し始めたのだ。

 俺はどうやって慰めようか悩んだ末、こともあろうか、朝比奈さんのたおやかな体を

 抱きしめてしまい、朝比奈さんは朝比奈さんで、俺に身体を預けてきた。

 その結果どうなったかは、まあ言うまでもないだろ。

 俺も朝比奈さんも、ハルヒや未来、立場のことは一時的に忘れ、近くにあった

 朝比奈さんのワンルームに場所を替え、若い男と女として残りを過ごした。

 朝帰りなんて生まれて初めてしたぜ。おふくろには散々にしぼられたがな。

 ここまではすでに起きてしまったことだ。そしてここからが冒頭につながることなんだが――

 教室で顔を付き合わせるハルヒにできるだけ自然に応対することはできても

 さすがに朝比奈さんがいるであろう、部室に入るときは緊張せざるを得なかった。

 しばらく逡巡し、覚悟を決め、扉をノックする。

「はぁい」

 いつもと同じような声にほっとしていると、内側から扉が開けられた。

「あ……」

 入ってきたのが俺であるのを確認すると、朝比奈さんは顔を真っ赤にしてうつむいた。

「どうも」

 そんな言葉しかかけられない俺もかなりの腑抜け野郎だな。

 しかし朝比奈さん、そんなバレバレの反応だと、すぐにハルヒにバレますよ。

「そ、そうですよね。どうしよう……」

 真っ赤になった頬に手を当てて、困ったような表情をする。ごめん、たまりません。

「口裏を合わせてやり過ごすしかありません。今更なかったことにはできませんし」

 朝比奈さんの仕草にあてられながらの俺の返事に、朝比奈さんは顔を凍らせ、

「なかったこと……? キョンくん、それどういうことですか」

 ぐあっ、口が滑った。

「い、いえ、特に深い意味はなくてですね、そのなんといいますか」

 朝比奈さんは俺が慌てて弁明に走るのをよそに俺に接近し、

「あたしは、キョンくんとその……そういう関係になったことを後悔してません」

 顔はまだ赤いながらも、真剣な顔つきでそう言った。

「キョンくんは、そうじゃないんですか?」

「そんなわけないじゃないですか」

 即答する。

「俺だって、朝比奈さんと一つになれて良かったです」

 俺の答えに、朝比奈さんはじっ、と俺をみつめ、

「……ありがとう」

 と頬に軽くキスをしてくれた。

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no title

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192 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2006/05/20(土) 22:35:28 7bJm+zxn

ヒトメボレLOVERより


「残念だったか?」

「告白が間違いだったと解って、少しは残念だと思わなかったか?」

「…………」

「……少しだけ」

マンションの玄関が閉まる冷たい音を聞きながら、別れ際に交わしたあの人との会話を思い出す。

彼はどんな答えを期待して、わたしに質問したのだろう。

その時の彼の表情から、何らかの期待を込めた問いなのだということは読み取れた。

果たしてわたしの答えは、彼の期待に応えられたのだろうか。わからない。

わたしは引き出しから、しわしわになった1枚のルーズリーフを取り出した。

一昨日、彼がわたしに読み聞かせた、件の青年からの告白を記した紙片だ。

彼が窓から投げ捨てたこの紙片は、鈴宮ハルヒを介して、いまはわたしの管理下にある。

わたしはあれから、この紙片に書かれた言葉を何度となく読み返している。

記憶を遡れば、その回数も要した時間も判明するが、行為自体が重要なわけではなかった。

わたしにとって重要なのは、この紙片に書かれた言葉を読むことで得られる、奇妙な充足感にあった。

それはこれまで、どんな書物を読んでも得られることがなかった感覚だ。

紙片に書かれた彼の文字を読むと、わたしの脳裏に2日前の部室の光景がはっきり思い浮かぶ。

この紙片を手にわたしの前に立ったあの人が放つ、抑揚の乏しい声。

どこか心配げな視線をわたしに向けながら、感情の籠もらない声で告げる言葉。

それでも、あの人の口から発せられた言葉は、

まぎれもなくわたしへの愛の告白だった。

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「目覚めよと呼ぶ声あり」  ~ヒューマノイド・インターフェース「長門有希」の消滅~

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206 名前:5-409 投稿日:2006/05/20(土) 23:49:24 IRJH1q7g

「目覚めよと呼ぶ声あり」

 ~ヒューマノイド・インターフェース「長門有希」の消滅~


「我は死神」

こたつの向こうに一人の少女がいる。

私と目が合うと彼女はそう名乗った。

死神(と名乗った少女)は白い清楚なブラウスにリボンタイ、赤いプリーツスカート。

ふわふわと柔らかなウェーブを描く髪。頭にはちょこんとスカートと同色のベレー帽を乗せている。

名門私立校附属の小学校に通うお嬢様といった風情。

年齢はどう高く見積もっても一桁以上には見えない。

私は学校の制服のまま。自宅に帰っても特に部屋着に着替えると言う習慣はない。

いつもの事だ。

「不可解」

私は目の前の少女を見つめて首を微かに傾げる。

確かに不可解だった。自宅に帰り、居間に入りこたつの前に座る。

読みかけの本を開こうとした時、少女に気づいた。

こたつの上には茶碗と急須。いつものほうじ茶。

いつ入ってきたのか、いつからいたのか。

進入の痕跡は通常の空間にもそれ以外のいかなる観測手段、記録にも見えない。

しかし少女はここにいた。

「我がここにいるのがそんなに不審か?呼ばれたから来たというのにつれないな」

少し舌っ足らずな幼い声。

しかしその内容は老獪な政治家か詐欺師かといったものだった。

「呼んだ覚えはない」

「で、あろうな。意識に上るようなものではない」

「どういうこと」

「我は死神である。人の魂を管理するのを業務としておる。そのために来た。もっとも今回は死人の魂が相手ではないが」

「……」

「そなたはおもしろいな」

少女は物憂げな目つきで私を眺めた。

「おもしろい魂をしておる」

「私は……」

「ああ、魂と言ったのは比喩だ。そなたを構成する要素の核となるもの、とでも言おうか。そなたは作られたものであろう?人の形をして人と同じように生き人と同じように話している。それの根幹を成すものだ」

「私は人ではない」

ヒューマノイド・インターフェースとやらか?そのような区別は我には無意味である。そなたは人として生きておるではないか。人のように話、人のように動く物はこれ人だ」


207 名前:5-409 投稿日:2006/05/20(土) 23:50:14 IRJH1q7g

いつの間にか私は少女への不審を忘れ、話しに引き込まれている。彼女の存在に対する疑問も忘れて。

私は考える。人とは何か?

「人とはそなたのような物のことを言う。心があるもの、などという戯言は言わん。心とは現象面に名付けられたもので実体はない。それを言うなら物言わぬ人形とて心はあるぞ?」

「どういう事」

「なに、人が人たり得るのは他者からの観測による。人のように話す機械があったとして、それがパソコンに接続されたスピーカーから発せられた合成音なら、誰もそれを人とは思わん」

少女は芝居じみた仕草で両手を広げる。

「人の形を模した人形に愛情を注ぐ輩は多い。彼らのすべてが物としての愛着で人形に接しているか?違うであろう?あれは人の姿をした物に愛情を注いでいるのだ」

「……」

「心が有るか無いかの判断は観測者の主観に過ぎん。心に対する絶対的な定義が不可能である以上それは主観以上のものにはなり得ない」

私には心があるのだろうか?

「もちろん現在この世界での技術では人のように思考する機械は製作不能だ。しかし、それは技術的な問題であり、遠からず人のように思考する機械は出現するであろう。人は人を作るという欲求を抑えきれるものではないからな」

少女は身を乗り出して私の瞳をのぞき込む。

「ましてやおぬしはこの世界に存在する以上の技術を持って作られておるであろう?」

確かに私を構成する技術はこの世界においては実現不可能なオーバーテクノロジーだ。いずれはこの世界でも実現するかもしれないが、数年先などというレベルではないだろう。

「おぬしを作ったものは人としておぬしを作ったはずだ。おぬしがここに存在する理由は?」

涼宮ハルヒの観察」

「そうだな。人として生きている涼宮ハルヒという個体を観測する。それがおぬしという存在を作ったものの目的であろう」

統合思念体は人を直接的に理解することは出来ない。そのため人と同じ構造を持った私や朝倉凉子を作った。

「人と同じと言うことは人と同じ感情を持つ、ということだ。そして人として心を持って作られたおまえたちは、人の心を観測する。自分の心と照らし合わせて、人を見る」

観測対象の心を推測するには、同じ視点で見なければいけない。人がどう考えるか、ということを推測するには、同じ技術的基盤で作られたプローブが必要となる。

「『妖精を見るには妖精の目がいる』と言うことだな。そしておまえたちもまた観測されている」

「私たち」

「そうだ。量子力学ではないが観測という行為が観測対象に影響を及ぼす、というのはわかっているであろう?おぬしも観られているのだ。様々な人物、組織にな」

それはわかっている。私たちのような存在に関心を抱くものは多かった。

古泉一樹が属している「機関」などがその典型だろう。

もっと下世話な意味での観測も多い。

……私はランクAマイナーだそうだ。

「その様におぬしの容姿それもまた周囲へ影響を与える。おぬし我のこの姿をどう思う?」

少女は立ち上がりスカートの裾を摘んで小首を傾げる。両足には縞柄のニーソックス

とても愛らしい。保護欲をかき立てられる幼い姿。

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