コスプレネタって安易だと思うの

コスプレネタって安易だと思うの

「コスプレネタって安易だとおもうの」


ttp://d.hatena.ne.jp/ama2/20061029/p1

近辺


「冬」「バニーガール」「チャイナドレス」「スチュワーデス」「バス(ツアー)ガイド」「温泉・露天風呂」



 広間の大きい窓から、雪山が見えた。木立に、ウサギの足跡。その向こうにはスキー場のナイターの照明。新しい畳、檜の柱、床の間の掛け軸。料亭旅館の豪勢な料理。

 「素晴らしいじゃない?」

 「わたしたちが、客なら、ね」

 目の前には、人相の悪い男達が、人数に不釣合いな広い部屋で宴会を繰り広げていた。思い思いの格好をしたわたしたちに、「バス(ツアー)ガイド」が、ペコリ、と頭を下げる。まあ、仕事だ。仕方ないか。すでに、「チャイナドレス」は、お酌を始めている。わたしも、商売用の笑顔を浮かべ、ビール瓶を握った。

 次々に新しい料理が運ばれ、酒瓶も空いていく。床の間の前に座っている子供が、若様若様とお酒を勧められ、必死に辞退していた。いいのかなー。悪戯心が浮かんだ私は、トレイにお酒を乗せて、ちょっと迫ってみる。真っ赤になるところが可愛いというか。

 「来る」

 「バニーガール」のウサ耳がピクリ、と動いた。

 厚い雪国仕様の二重ガラスを軽々と貫いて銃弾が頭上を掠める。粉々に割れたガラスが部屋に降り注ぐ。わたしは若様を抱きかかえ、銃を抜いた。広間の入り口から一群が突入。みな武装している。撃たせるつもりはない。私たちの弾丸は彼らの手に、胸に命中し、フルオートで弾丸を床にぶちまけながら倒れていく。なおも奥から飛び込んで着る弾丸の主にめがけ、「チャイナドレス」は銃撃で応じ、そして入り口は沈黙した。「バスガイド」は、安全を確かめるべく、廊下を伺う。

 「…一時方向」

 「バニーガール」は、どこからともなくライフルを取り出して、窓の外を狙っている。銃弾が掠めても、顔色一つ変えない。

 「…方向修正」

 「バニーガール」のウサ耳を銃弾が掠めたのと、彼女が引き金を引くのは同時だった。彼女のウサ耳は、飾りモヘアが吹き飛び、中のステレオ集音機が露出していた。

 「…屋外に震動なし」

 「あ、待って」

 わたしは、再び銃を握り、敵に備えた。

 「…小動物を確認。たぶん一匹」

 「ウサギだね、そりゃ」

 緊張をぬいた。

 

 広間は、阿鼻叫喚、というほどではなかった。まあ、この程度の敵だ。怪我人は多かったが、殆どはガラスの破片や流れ弾だ。彼らも武装はしていたが、精々グアムで射撃練習だ。なんとかしようとしたときには、カタがついていた。腰を抜かしている奴もいるし。さて、肝心の若様は…

 無事じゃ、なかった。

 むぎゅう。


 あちらでは、尋問が始まっている。こういうことには、彼らはプロだろう。でも、襲撃者はなんか強気に開き直っている。

 「ヒャハハハハ、みんな死にやがれっ」

 爆発が起きた。





 そんなわけで、私たちは温泉に入っている。

 「皆様、こちらが大浴場、改め、露天風呂でございます」

 「バスガイド」が、案内口調で冗談を飛ばす。

 「いや、みな盛大に吹き飛んだね」

 「爆発に驚いて飛び出した連中の前に、敵の増援が乗り込んできたときにはどうなるかとおもったね」

 「そんなイベント起こっていません」

 「この報酬が出たら、ちゃんとした温泉に入りましょう」

 というわけさ。よろしくね、若様。

 ブクブクブク…

 わたしたちに囲まれていた若様は、鼻血を出して沈んでいた。



…一シーンを切り取ったものが受ける、という話を聞いて追記。

大山鳴動して兎一匹




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